パンデミックの中、アーティストであり続けること

NYで不要不急の外出が禁止されてから1ヶ月以上が過ぎました。現時点では少なくとも来月半ばまでは延長されることが決まっています。

最近は自宅に籠りながら、アーティストの役割についてよく考えます。

イギリスの大学院にいたとき、創作活動のための助成金申請のクラスで言われました。

 「目の前に飢えた子どもとアーティストがいたら、限られた資金は子どもを食べさせるために使われます。

 助成金を申請するときは、それでもなお自分の活動が社会のために必要だということを説明しなくてはなりません」

このことに関して、私の中ではまだ答えが出せていません。おそらく一生考え続けていくのだろうな、と思います。

NYでは早い段階から劇場が閉鎖され、多くのアーティストの仕事がキャンセルになりました。

人命を守るため、それは必然なことです。今は全員で協力して少しでも感染拡大リスクを減らし、医療従事者や生活に必要不可欠な業務に従事するエッセンシャルワーカーへの負担を軽くすることが何よりも大事だからです。

ただ、私は芸術活動は「不急」であっても「不要」だとは決して思いません。

ずっと自宅に籠っていて正直しんどくなることもありますが、そんな時は好きなアーティストの音楽に励まされています。身体の安全・健康が確保された後には、生活を彩るための芸術・娯楽は人間にとって必要不可欠なものだと実感しています。

表現の場が失われ、いつ終息するかもわからず、先の見えない不安で閉塞感に苛まれているアーティストの方もいるかもしれません。私もそんな気分に押しつぶされそうになることもあります。

ただ、いつか社会が芸術・娯楽を楽しめる状況に戻り、私たちが必要とされるようになった時にはすぐに役に立てるよう、今は充電期間と考え、努めて自分の心身をケアしながら過ごしています。

大変な状況ですが、皆さんはどう過ごしていますか。

未来に役立てるよう、希望をつないでいきましょうね。